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ChatGPTのメモリ機能アップデートの概要

ChatGPTを提供するOpenAIは4月11日、有料の「Plus」「Pro」プランのメモリ機能を大幅に強化しました。これまでもパーソナライズのための記憶機能はありましたが、今回のアップデートではすべての過去の会話履歴を参照できるようになったことが最大の特徴です。この機能強化により、ChatGPTはユーザーの過去の対話内容をより深く理解し、ユーザーの興味や目標、コミュニケーションスタイルに合わせたより適切で有用な回答を提供できるようになりました。
OpenAIによれば、この機能強化はユーザーとChatGPTの関係をより深め、真にパーソナルなAIアシスタントとしての価値を高めることを目的としています。頻繁に同じ説明を繰り返す必要がなくなり、以前の会話の文脈を踏まえた対話が可能になることで、よりユーザーにより沿った会話が期待されています。

メモリ機能が充実したことで特にボイスモードでさらに自然な会話ができるようになりますね!
ChatGPTのメモリ機能は2種類


メモリ機能はメモリ・チャット履歴から構成されています
メモリ


保存されたメモリを参照する機能。これはアップデート前から使用可能でした。この機能をオンにすると、ユーザーの名前や好み、特定の情報など、過去に保存された情報をChatGPTが参照するようになります。これらの情報は、ユーザーがChatGPTに詳しく伝えた内容や、ChatGPTが特に有用と判断した場合にメモリに追加される仕組みになっています。メモリはChatGPTに保存して欲しい内容を伝えることで自動的に保存が可能です。




保存されたメモリは設定→パーソナライズ→「メモリを管理する」から確認、削除可能です。
メモリの設定方法


設定のパーソナライズから「保存されたメモリを参照する」でオン・オフの設定が可能です。
チャット履歴の参照
今回のアップデートで追加された「チャット履歴を参照する」機能です。この設定をオンにすると、ChatGPTは過去の会話にある情報を広範囲に参照し、ユーザーの目標や興味、コミュニケーションスタイル(トーン)などに合わせて会話を進めることができるようになりました。この機能は一つ目の機能よりも広範囲に及ぶ設定であり、より総合的なパーソナライゼーションが可能になります。
これらの機能により、ChatGPTはユーザーとの過去のやり取りを踏まえた上で回答を生成できるようになり、まるで長期的な関係を築いている人間同士のような自然な対話が可能になります。
チャット履歴の参照の設定方法


設定のパーソナライズから「チャット履歴を参照する」でオン・オフの設定が可能です。
メモリだけオンも可能
チャット履歴はオフにして、メモリだけオンにすることも可能です。
チャット履歴の参照だけオンは不可
メモリはオフでチャット履歴だけをオンにすることはできません。そもそもチャット履歴のほうが情報量として多いので、そんな人はいないと思いますが・・・



スマホ版も同様に設定からオン・オフができます!
一時チャットでメモリ機能を一時的にオフにできる




メモリ機能をオフにしたい場合や、特定の会話をメモリに残したくない場合は、「一時チャット」機能を利用することもできます。スマホ版のChatGPTの右上の吹き出しのアイコンをタップし一時チャットを使用すると、その会話はメモリに保存されず、ChatGPTの将来の回答に影響を与えません。これはプライバシーに配慮した機能と言えるでしょう。
スマホ版のみ一時チャットが可能
一時オフはスマホ版のみしか使用できません



基本的に住所や電話番号などの個人情報は入力しないようにしましょう!
メモリ機能のメリットと実践的な活用法
ChatGPTのメモリ機能強化には多くのメリットがあります。ここでは、具体的なメリットと実践的な活用法について詳しく解説します。
ユーザーに寄り添った自然な会話


アップデートしたメモリ機能の最大のメリットは、ChatGPTとのやり取りがより自然でパーソナライズされたものになることです。ユーザーの過去の会話内容や好み、興味を記憶しているため、毎回同じ説明をする必要がなくなります。例えば、特定の専門用語の説明を一度受けた後は、その知識を前提とした高度な議論が可能になります。
また、ユーザーの文体やコミュニケーションスタイルに合わせた回答が得られるようになるため、より自然な対話が可能です。長期的に使用することで、ChatGPTはユーザーの好みやニーズをより深く理解し、回答の質と適合性が向上していくでしょう。


業務効率化とタスク管理への応用


ビジネスにおいては、長期的なプロジェクト管理や継続的なタスクの追跡にこの機能を活用できます。例えば、特定のプロジェクトに関する過去の議論や決定事項をChatGPTが記憶しているため、プロジェクトの進捗状況や次のステップについて的確なアドバイスを得ることができます。
また、定期的に行う業務やタスクについても、過去の経験を踏まえた提案や改善点の指摘が可能になります。例えば、「前回の会議の反省点はなんでしたか?」といった質問に対して、過去の会話から関連情報を抽出して包括的な分析を提供することができるようになります。
対象ユーザーと提供地域
強化されたメモリ機能は、現時点ですべてのChatGPTユーザーが利用できるわけではありません。対象となるユーザーと提供地域について確認していきましょう。
対象となるのは有料会員のみ


現在、この機能を利用できるのは有料の「Plus」および「Pro」プランのユーザーに限られています。無料プランのユーザーは現時点では利用できません。
日本は使用可能


メモリ機能の強化は、現時点ではすべての地域で利用できるわけではありません。日本は使用可能です。欧州経済領域(EEA)、英国、スイス、ノルウェー、アイスランド、リヒテンシュタインを除く全地域のPlusおよびProユーザーに順次提供されています。
これらの欧州地域で提供が見送られている理由として、EU一般データ保護規則(GDPR)などのプライバシー法制との調整が必要なためと推測されます。OpenAIは今後、これらの地域での提供に向けても取り組んでいくとしています。
まとめ
ChatGPTのメモリ機能の大幅強化は、AIアシスタントの在り方を根本から変える重要なアップデートと言えるでしょう。過去のすべての会話を参照できるようになったことで、より自然で継続的なコミュニケーションが可能になり、真にパーソナルなAIアシスタントとしての価値が高まりました。
この機能強化により、ChatGPTはただの質問応答ツールから、ユーザーの興味や好み、知識レベルを理解し、長期的な関係を構築できる相談相手へと進化しています。ビジネスでの活用からプライベートでの利用まで、様々なシーンでより効果的にChatGPTを活用できるようになるでしょう。
一方で、プライバシーへの配慮も十分になされており、ユーザー自身がデータのコントロールを行える透明性の高い設計となっています。メモリ機能のオン・オフや「一時チャット」の活用など、状況に応じた柔軟な使い分けが可能です。
現在は有料会員のみに限定されていますが、今後さらに多くのユーザーが利用できるようになることが期待されます。ChatGPTがより個人に寄り添ったパーソナルAIへと進化する中、この機能をどのように活用していくかはユーザー次第です。プライバシーとパーソナライゼーションのバランスを取りながら、ChatGPTとの新しい関係を構築していくことが重要になるでしょう。